9月のTAP社内勉強会は、
“新築の投資用ワンルーム業界の裏側”
をテーマに大手の新築投資用ワンルーム(以下1R)会社ご出身で、現在は中古投資用1R仕入れ・販売会社、GATES 株式会社の関口部長にご講演をいただきました。
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関口様は1990年代の後半に現在は上場しCMも打っている新築の投資用1R販売会社に就職。新卒で入社した人が3年後には3割しか残らない、中途入社を含めて7年続くのは珍しいといわれる同業界において20年も務められた「すごい方(?)」です。
ご存知の方もいると思いますが、新築の投資用1Rは、広告費や人件費・建築時の借入金利によりコストがかかっているため、中古1Rだと2,000万円の物件を新築だと2,400万円で販売しています(利回りでいえば表面利回り5%のものが4.17%まで0.83%も下がります)。
私自身、前職のコンサル会社を辞めてから、1R投資をはじめたのですが、新築と中古でこれだけの利回り差があるため、初めから中古でスタートしました(それでも骨折程度の失敗もありましたが)。
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そのため、今回は関口様から「新築1R業界のギモン」
-誰が購入しているのか?
-なぜ購入するのか?
-どうして買えるのか?
-なぜ営業マンは7年までで辞めるのか?
-なぜ関口部長は20年もお仕事できたのか?
についてお聞きしました。
なお、この月1勉強会、いつもは自社以外のお付き合いの深いオーナーや税理士・司法書士や弁護士などの皆様にご参加頂いているのですが、今回は内容が業界ぶっちゃけトークになりそうであったため、自社のメンバーだけでご講演をいただきました。
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以下、講演会の学びメモです(自主規制で書ける範囲で書かせて頂きます)。
▼誰が新築1Rを「購入しているのか?
割安な中古物件と比較されないように“ターゲットを変えている”ということでした。
そのため、顧客開拓は“不動産の情報が入りにくい人”で、具体的には職種は〇〇や▲▲。エリアは××にしており、営業は不動産に興味がない層を新規開拓するのがメインになるため、“電話営業”で主体になるそうです。
→確かに、私が購入した物件も職種が〇〇であったり、エリアも××であったりすることが多かったので、非常に納得でした(伏字が気になる方はDMください)。
▼新築1Rをなぜ購入するのか?
購入する理由は、私達が中古を販売している際にお客様が購入する理由と変わらず「個人での年金対策・資産形成」や「税金対策」が多いようです。
→税金対策という意味では、新築は減価償却が大きいというメリットがありますが、購入価格の差を埋めるほどにはなっていないそうです。
▼なぜ値段が高い新築1Rを買えるのか?
新築会社で上場している会社は、提携ローンをしている金融機関との結びつきが強いため、新築物件のローン審査の際に、評価を高めにつけてくれることがあるそうです。
→そのため、中古ではそこまで高いローン査定をしてくれない物件でも高い金額を借り入れて購入できるという仕組みになっているようです。
→また、投資用1Rのローン審査は本人の属性=信用力を重視するため、ターゲットである〇〇や▲▲も信用力が高い職種を選んでいます。
▼なぜ営業マンは7年までで辞めるのか?
新築1Rの会社といえば、人がどんどん辞めていくイメージがありましたが、実際、新卒は50人入って3年後に10人程度しか残らないそうです。これは電話での新規営業がメインであるため「キツイ」という理由が大半だそうです。
残った社員は売れる社員になるそうなのですが、短期譲渡が終わる5年後にお客様から、売却相談などが増えてくるが、新築物件で購入すると希望通りの価格で売却できない現実を伝えられず、お客様への対応を疎かになったり、面倒になったりで辞めていく傾向があるそうです。
また、入社から7年は30歳手前であり、この先の人生も考える社員も多い!?のでそのタイミングも重なるのかもしれません(私もそれぐらいで転職でした…)。
▼なぜ関口部長は20年もお仕事できたのか?
まずベースにあるのが「不動産は裏切らない」という商品への確固たる自信があること。そのうえで、お客様のライフプランに自社の商品がマッチしたものであるかを一緒に確認して販売しているからクレームがなく喜ばれ続けていたからだそうです。
→こう考えると、新築・中古のどちらが「良い」「悪い」というのは、比較している私の主観で、例え新築であっても、それがお客様のライフプランにあったもの、人生を豊かにするのものであればお客様にとってはいいものになるという、商売の基本に立ち戻れたように思います。
といったことをメモさせて頂きました。
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その関口様が今の中古の仕入・販売をするGATES株式会社に転職したのは、自身が前職でセミナーの部署を立ち上げてお客様から質問を受けた際に、受講者から自社の新築物件と中古物件を並べて、「この価格差はなぜ?」という質問に業界に20年もいながら、答えられなかったご経験から「中古1R」の可能性を感じたからだそうです。
TAPはGATES株式会社の投資用1RのFCにも加盟して中古1Rの販売を行っていますし、また私自身も1Rの投資家ですのでこれからもこうした1Rについての学ぶ機会を継続して持っていきたいと思います。
そうした意味で、投資用新築1Rと中古1R業界の両方に20年もの豊富な経験がある関口様のお話は内容が濃く、投資用ワンルーム業界について更に深い知識を得る機会になりました。
関口様本当にありがとうございました。